今日の一曲:Grateful Dead - Dark Star

Grateful Dead - Dark Star (Live/Dead) 1969 - YouTube

・ライブゆえの魅力
・じぶんの歌を弾くということ
・独自のポジショニング

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 こんな演奏がしてみたい——とため息をつかされる録音。なにより面白いのは、スタジオ収録版だとぜんぜん魅力がないところ。手探り手探り、ピークに到達するまで/してからの動きや流れがあってはじめてよさが十二分に伝わるというあり方は、長くて5分台というパッケージに慣らされた耳には新鮮に響く。ほんとはめちゃめちゃリハやってそうだけれど、ステージ上でぜんぶが決まっていっているかのように重なり機先を伺い合う音。
 ジェリー・ガルシアのギターは単音のメロディーをどんどんつないでいくタイプで、しかもメジャースケールそのままの並びをなぞるときも多いシンプルな発想。でも抜群のトーンとリズム、弾きっぱなしじゃない息遣いのある演奏だからまったく飽きが来ない。じぶんの歌いたい音をしっかり鳴らせば、それだけで説得力に富んだプレイになる。

 グレイトフル・デッドは音楽性以外にも、ライブをメインにした活動、デッドヘッズといわれる独特のファンコミュニティ、サウンドボードからのキャプチャも許可する徹底した録音フリーとか、独特な点が多くて気になる存在。どうやって収益を上げていたんだろう。