今日の一曲:NEU! - Leb' wohl
・効果音の重要性
・無音よりも静かに
ちょっとここ二日の記事が長くなったので短めに。
Neu!というと「Hallogallo」なんかのハンマービートが有名だ。パンクやニューウェーブに影響を与えたそうだ。すごいことだ。……でもまあ、昨今のダンスミュージックとかにある程度慣れた耳からすると、歴史的意義を抜きにするとそうかっこよくは思えなかった。
むしろ、この「Leb' wohl」のようなアンビエント系ポストロック的なサウンドのほうが時代を超えた魅力にあふれている。シガーロスの新曲ですよと言われると信じてしまうかもしれない。これが1975年発表というのはほんとうにすごいことだ。
いわゆるリズム隊はいないし、コードやメロディもシンプル極まりない。ここでの主役は波の音、時計の音――西洋が切り捨ててきた噪音=効果音だ。いや、むしろ楽音=ドレミで表現できる世界のほうがほんらいは小さい。ふだん耳に入る音の大部分はなんでもない生活音だ。そう考えると、これがふつうの音風景といえる。
「無音よりも静かに」を目指した音楽――アンビエント。この9分弱の時間は永遠よりも長く一瞬よりも短い。