今日の一曲:ジンタ - 見上げて御覧よ

日付またいじゃった。

このバンドを知ったのは偶然だ。ふつうに楽隊としてのジンタを調べていたらYouTubeでひっかかった。ありがとうYouTube。そのあとAmazonでCDを買った。ありがとうAmazon

音楽性はアメリカンフォークロック+歌謡曲といった趣。スロー~ミドルテンポにクリーンギターが心地よい。親しみやすいメロディに歌詞もきれいだ。

クオリティは高い。しかし正直いって、熱烈にファンになるかというといまいち訴求力がない。調べると2000年に実質3年でインディーズのまま解散してしまったようだ。よくそれが流通するものだ。

このSEO対策のかけらもない名前、素朴かつ高クオリティな音から、僕はたまを思い出した。たまと比べると、タイミングの悪さと、良くも悪くもの普通さを感じる。バンドブームのあとでネットの発達前にでてきてしまったこと。見た目も編成もコードも穏当なこと。

ただこの無味無臭感、じつは意外な広がりをもっているように思う。星野源だ。ジンタの関連動画に、彼がラジオでジンタに言及しているものがある。その先入観もあってか、あの「恋」を聞いたとき、僕はなんとなくジンタに通底する価値観を感じた。

民族音楽、フォーク。日本の民族音楽の残り香としての歌謡曲。それを捨象した音楽はむしろ今からこそ価値を持つのではないか。