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今日の一曲:The Who - Baba O'Riley

The Whoは曲単位で好きなものがたくさんある。もともとSubstituteについて書きたかった。けれど、昨日からこのBaba O'Rileyのことを考え続けてしまっている。

コードネームでみれば単純な曲だ。F,Bb,C,後奏になってやっとEbが出てくる。それでシンプルに聞こえないのは展開力といえる。あのシンセのシーケンスフレーズのイントロからはじまり、徐々にリズム隊が入り歌い出し、ギターが鳴り響いたと思ったら静かなブリッジ、そこからまた激しくなり、キメが入ってフィドルかハーモニカかがカタストロフ的なアウトロを飾っていく。

きっちりとしたⅣ→Ⅴ→Ⅰの進行はIt's only teenage wastelandにしかない。シーケンスはF5のドローン。バンドサウンドはF→C→Bbの繰り返し、ロック的なⅠ→Ⅴ→Ⅳだ。そして後奏はフィドル前がC→Bb→F→Ebといわゆるコード理論からはずれた進行、さいごはまたF一発(ただしモードはミクソリディアン)。それで必要十分なのだ。

歌詞もいい。傷ついた男が淡々と前を向こうとしている。いまの僕にはそう読める。いい詞は読み手の鏡になるから、また違う僕には違う解釈があるだろう。さいきんのライブバージョンではJust raise your eyeとしていたりする。年をとった彼らなりの解釈なのだろうか。

よくMehar Babaのプロフィールを打ち込んだといわれるシーケンスフレーズだが、そんな機能もなさそうだし、そもそもどう変換したのかも聞かないし、それであんなシンプルなフレーズになるのかなど、つっこみどころがそこそこある。Babaの神秘主義的汎神論、そしてInayat Khanの音楽=宇宙のミニチュア論。「ごくふつうの人々がしだいに調和し神をみる」、それを音楽で表現するためのTerry Rileyのミニマリズム。たしかにプロフィールを打ち込むアイデアはあったにしてもそれは構想どまりで、その構想をなんとか具現化しようとしたのがこのフレーズなのだろう。シンプルかつ豊潤。

ピートにあこがれSGを買ったら、彼はさいきんストラト使いになっていた。しかもなぜかエリッククラプトンシグネイチャー。友達だからだろうか。ピートレベルのひとだと楽器屋はもちろんVIP待遇だろうけど、フェンダーに直接とか、さらにはクラプトンから直接とかできそうでおそろしい。

そのストラトがまたいい音だ。Who's nextではグレッチを使っているように、どんな楽器でもピートはピートの音を鳴らす。弘法筆を選ばずだ。ハイドパークの音源、It's only teenage wastelandの直後にアーミングで揺らしつつのパワーコードが入る。それがたまらなく気持ちいい。

ロジャーもさすがに高音きつそうだけど、ブルース・スプリングスティーンのような深い声になっていて、謎の含蓄を感じる。非オリジナルメンバーだとザック・スターキーのドラミングが理性的なキースという感じで聞きやすい。

死ぬまでに観たいな。