今日の一曲:Maurice Ravel - Pavane pour une infante défunte

こういうペースでも続けるのが大事。

コード進行という目で解析したわけではないけれど、とにかく和声がきれいだ。というかメロディもきれいだ。まだ「サロン音楽」が成立できていた幸せな時代の残り香と言えるかもしれない。

ラヴェルの音楽からはどうも美しさのウラにギリギリと締め上げている何かを感じてしまう。ダンディな彼ならではの自律、自問、そういうエネルギーかもしれない。だからこそ、この手癖で力を抜いて書かれた曲からは、自然なラヴェル、普段着のラヴェルが見える。そういう妄想をしたくなる。

どうもドビュッシーラヴェル、サティという三人をくくってしまいがちだ。それが正当かはともかく、一種正統的な語り方でもある。というかサティが音楽史に登場するのがこのふたりもしくは六人組の関わりだからという面は強いかもしれない。

その三人の音楽の流れは、ドビュッシーが(まだつかみきれていないが)ある種ロマン派の延長での擬古へたどり着き、サティがつねにその時代時代の前衛を切り開いていったのに対し、ラヴェルはかなり徹底して自分の美学をもっていたように思う。それは一定程度ジャズ、そしてポップの一部と共通する姿勢かもしれない。