先月の短歌(2018年5月)

さいきん短歌をはじめた。

まとめる場所として、またこのブログを使ってみる。

 

…………

 

スキー場
白く染まった背景に
めでたく映えるあなたのほっぺ

 

「耳たぶの形が左右違ってる!」
そんなことさえノーベル賞

 

すきま風ふさぐ工夫も面倒で
ただよりあって過ごしたかった

 

砂の中やっとみつけてくれたのね
もうはなさないこのままずっと

 

受け止めて
マンションの位置エネルギー
あたしあなたの上でいきたい

 

ジャンプしたその瞬間にバラバラの砂粒と化すバレエダンサー

 

グヮングヮンと環境音が鳴り響く我の頭の空洞のなか

 

日曜の夜に息継ぎする人の顔に浮かぶはめしうとの色

 

文庫本片手にそっとため息をつきて車窓の外をながむる

 

地下鉄のホームに響く下駄の音
D・C・B・C 繰り返すリフ

 

虫けらのごとき人々各々に帰る家ぞある
思い出ぞある

 

フラットに揃えし君の前髪や

眉毛にかかる長さいとしき

 

こまぎれのバターのかけらなめとって

カチャンとナイフ置いたあの朝